発生日時:2008年10月30日
発生場所:シンオウ地方・ソノオタウン近郊
関与ポケモン:ミノマダム(1体・野生)
【未解決】ミノに眠る少女
2008年10月30日、シンオウ地方【ソノオタウン】にて町の高校に通う3年生の少女が下校時に自転車で友人と別れたのを最後に姿を忽然と消してしまった。
その後、延べ200人を超える捜索隊が組まれ周辺の山林や河川敷を中心に広範囲な探索が行われていたが一ヶ月以上何の手がかりも得られていなかった。
捜索からおよそ50日ほど経過していた10月30日未明、探索隊が捜索ルートの再確認を行っていた際に山中の桜の木にぶら下がっていた《巨大な繭状の物体》を発見して事件は大きく動くこととなる。
繭は直径およそ1.5メートル、高さは2メートル近くに及び、蔓植物や枯葉、土壌などを糸状の成分で緻密に固めたもので構成されていた。
見た目はまるでミノマダムの《ミノ》を人間サイズに拡大したかのようであったという。
さらに側には1体の《ミノマダム》が枝から吊るされた状態でとどまっていたが、近づいても巨大なミノに手をかけてもミノマダムは微動だにせずただ風に揺られているのみであった。
その後集まった他の捜索隊と共に繭を慎重に開封したところ中から《少女の遺体》が発見された。
遺体には目立った外傷はなく、不思議と腐敗も一切進んでおらず、まるで昨日亡くなったかのように見えるほど保存状態が良好だった。
しかし遺体の手足には《編み込まれた蔓》が巻きついており、口には《花弁》が詰められ、手には《花が編まれた装飾品》があり《目が虚ろに開いていた》いたという。
司法解剖の結果少女の死亡推定時刻は失踪した日から数日以内であることが判明。
また、見た目の通り少女の遺体には腐敗の進行がほとんどなく、肌や髪も異常なまでに良好な保存状態にあった。
死後1か月以上が経過していたとされるにもかかわらず腐臭もなく、むしろ花や土の良い香りに満ちていたという。
死因は窒息である事が判明したが外傷もなく、体内への毒素の流入や薬物の摂取は確認されなかった。
全身を覆う繭のような構造物は周辺に自生しているものと同種の草花や自然素材とミノマダムの糸と同じ物質によって構成されていた。
また、少女の体には抵抗の跡が一切見られず、争った痕跡や拘束の形跡もなかった。
しかし繭内部には少女の異様な状態から誰かの意図を持って殺害、埋葬された事が示唆されている。
なお、少女の死後にミノマダムが本能により繭で包んだのか、あるいは他者の指示により直接死因に関与しているのかは今も不明である。
その後の調査でも遺体発見現場からは犯人の痕跡や足跡は見つかっていない。
当時は防犯カメラの設置もない地域であったため、少女がどのようにして裏山の奥深くまで移動し、なぜ命を落とすに至ったのかについては謎に包まれている。
事件の異常性と不可解さは地元にも深い爪痕を残しており、住民の多くは今も裏山に近づくことを避けている。
警察は事件に他者が関与してる可能性を考慮して少女の生活圏や交友関係を中心に捜査を継続しているが、事件当初から今日に至るまで逮捕者は出ていない。
なお、ミノマダムは事件後すぐに保護されポケモン保護センターに送られたが現在はすでに山中に再放されているという。
少女の死を巡る真相は今も静かに山の奥に沈んだままである。

――文・【ナガセ・ミホ】(シンオウ未解決事件資料室)
【管理人の考察】
繭は誰の意志か
少女を包んでいた繭はあまりにも丁寧すぎた。
自然の構成物とはいえあれほどまでに保存と装飾の両立が図られた繭が、ただ本能に従ったミノマダムの手によるものだとはとても思えない。
それはもはやナニカの儀式かメッセージなど、《人の意志》がそこにあったように思えてならない。
争いの痕跡がない
遺体の様子からは抵抗する間もなくそのまま眠るように命を絶たれたようにも見える。
しかし、これは自然死とは到底思えない。
誰かが彼女の命を絶ちその後繭に包んだのはほぼ間違いないといえる。
だが誰がなんの目的で行い、なぜミノマダムはそれを手伝いその後もその場に居続けたのかは全て謎に包まれている。
花で飾られた遺体
持たされた花の装飾、口に詰められた花弁。
こうした行為は保存状態をよくするわけでもなく、自然にそうなったとは到底思えない。
これはどちらかというと《死を悼む意志》か、あるいは《死を美化しようとする歪んだ感情》すら感じさせる。
誰が、何のためにそんな演出を施して吊るしたのかは深い謎に包まれている。
ミノマダムの想い
繭のそばでただ静かに吊るされていたミノマダム。
保護された際にも一切抵抗せず、事件後も何も問題がなかったためか再放されている。
まるですでに役目を終えたかのような、どこか虚無的な佇まいが印象に残る。
ミノマダムが共犯者ではなく《死後に出会っていて埋葬していた》としたらとも思うが…
しかしあのような埋葬方法は過去に例がないため、やはり誰か、もしくはナニカによる指示があったのではないだろうか。
少女はなぜあの山にいたのか
一番不可解なのはなぜ少女が裏山の奥深くにいたのかという点だ。
誰かに連れられたのか、自ら向かったのかすら不明だ。
自転車で友人と別れたあと、どんなやり取りがあり、誰に会い、何を思ったのか。
そこに明確な痕跡は一切なく、まるでその道程すら繭に包まれてしまったかのようにも思える。
構事件録
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