発生日時:2011年8月
発生場所:カントー地方・マサラタウン郊外
関与ポケモン:プテラ(1体・野生)
【未解決】空を裂く巨影
2011年8月、カントー地方南部に位置する小さな町【マサラタウン】の郊外上空にて異様な巨大飛行体の目撃情報が相次ぎ地域の住民や自治体関係者の間で一時的に混乱が生じた。
目撃されたのは古代ポケモン《プテラ》と酷似したシルエットを持つ飛行生物だったが、その姿は通常確認される個体とは比較にならないほど巨大だった。
最初に報告があったのは8月上旬の昼過ぎ。
農作業をしていた住民が突然影に覆われたため空を見上げると、はるか上空にいるにも関わらず手に持っていた農具より巨大な灰褐色の物体が飛行しているのを目撃。
直後に近隣の小学校職員や地域配送業者などからも同様の報告が複数寄せられた。
いずれの証言にも共通していたのはその超巨大な飛行体は非常に高所を飛んでおり、ゆっくりとした速度で特定の方角へ向かっていたという点だった。
以降連日午後2時〜4時頃になると町の空を横切る巨大な飛行影が確認されるようになった。
特筆すべきはその巨大プテラと思しき個体がいかなる接触や襲撃、破壊行為を行うこともなく終始静かに空を飛び続けていた点である。
降りてくる事もなく、飛行ルートの急変や威嚇行動といった反応も一切確認されていなかったため、どこか明確な目的地へたどり着くための移動としか思えなかったという。
行政側は住民への聞き取りと同時に民間調査団体や大学の航空生態研究部門と協力し高高度の観測機器を用いたモニタリングを試みたがあまりの巨体のため接近するとあらゆる機器が破壊、または吹き飛ばされてしまい正確なサイズや詳細の把握には至らなかった。
そして最も不可解なのはこの個体の目撃が8月末を最後に完全に途絶えた点である。
最後に報告されたのは8月29日の午後、町外れの高台にいた住民が夕暮れの空をゆっくりと西へ向かって飛行していく影を見たというものであった。
その後はどの地点でも目撃はなく公式記録にも残されていない。
以降、日を追って話題は薄れ地域住民の間でも《ひと夏の幻》として語られるようになった。
あの夏空を渡った巨影は何を求めて飛んでいたのか。
どこから来て、どこへ向かったのか。
その全貌が解き明かされる日は訪れないのだろう。

――文・【オリヴィア・レーン】(カントー空域現象研究会)
【管理人の考察】
プテラの実在性
あの巨大なプテラらしき影はそもそも本当に《実在する生物》だったのだろうか。
目撃証言では『遙か上空にいるにも関わらず手持ちの農具よりも大きく見えた』としているがそれは最早飛行機を超えるような大きさであったと言える。
現在確認されているプテラの個体群はたとえ最大級でもせいぜい十数メートルなどであり、そのような巨体にまで成長できるとは到底思えない。
例えばもしこれが《原種のプテラ》あるいは《別の形での進化》によってごく限られた地域でのみ生き延びていた特殊個体だったとしてもやはりあまりにも現実離れしているのではないだろうか。
さらに1か月足らずで以降一度も目撃されておらず、周囲でも糞や食痕などの痕跡が一切残っていないのも違和感を覚える。
つまり、そもそも生物ではなく《人工的に作られた巨大な飛行物体》であった可能性もないだろうか。
もしそうであった場合、なおのこと誰が何の目的で作り、その情報が一切公表されていないというのも極めて謎であるため、実在していて《異次元に消えていった》と考えるほうがまだ辻褄があるのかもしれない。
飛行ルートの意味
プテラが毎日同じような時間帯に同じルートで飛行していたというのも不思議な事である。
これがもし本当に生き物であればエサ場や繁殖地を求めて移動していたとも考えられるのではないだろうか。
だがそのルート上を調査してもなお痕跡は見つからず、マサラタウン以外ではマトモに目撃情報すらないというのが深い謎を呼ぶ。
それはつまり、マサラタウンの東側から西へ上空を飛行し、その後ジョウト地方では目撃されないままどこかへ消えているという事である。
この不自然さは単なる生物の行動とはかけ離れている。
もしかするとあの巨影は《ナニカの残像や映像》だったのではないだろうかとすら考えてしまう。
だが《調査用の機器類が破損または吹き飛ばされる》といった現象がそれを否定し、少なくとも《ナニカが実在》したという事を示している。
突然の消失
毎日定期的に現れていたあの巨影はなぜ突然姿を消した理由は《時間的な制限》によるものだった可能性はないだろうか。
つまり、そもそも異次元から現れた存在であり、限定的なエリアをただ移動する以外の干渉ができず、一定のエネルギーを使い果たしこちらの世界に来れなくなったという可能性である。
突拍子もないとも思えるが、しかしそれほどまでにこのプテラの行動も存在もあまりにも異常すぎる。
仮にそうだとすればあの夏にマサラの空を渡った影はたまたま条件が揃ったからこそ私たちの世界に姿を現しただけで今後二度と現れることはないのかもしれない。
そう考えるとあの巨影を見上げた人々はある意味で歴史の狭間を覗いてしまったのではないだろうか。
構事件録
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