発生日時:2019年5月7日
発生場所:ガラル地方・ラテラルタウン
関与ポケモン:タイレーツ(複数・野生)
【未解決】血濡れの行進
2019年5月7日夜、ガラル地方【ラテラルタウン】で住民により《異常な光景》が目撃された。
目撃されたのは町の中心部から北西に延びる古道沿いを《ナニかを持ち上げて行進するタイレーツ》だった。
住民たちは最初はただのタイレーツによる運搬かと思っていたが、近づくにつれタイレーツたちが抱えあげていたものが認識できるようになり、皆一様に足を止めた。
それは《赤黒く染まった布で覆われた少年の人形》だった。
人形の頭部は不自然に傾き、乾いた血が繊維に染み込んで固まり、まるで《少年の遺体を模している》かのようだったという。
一部住民はその場で悲鳴を上げたがタイレーツたちは一切反応せず、ただ一列のまま無言で歩き続け町外れの崖沿いの林へと消えていった。
通報を受けた地元の警察が現場へ急行し林の中を捜索したところ、崖沿いで例の人形を発見した。
人形の構造は粗雑ながら《少年》を模しており、布を捲ると人形に【小学校指定の制服のボタン、左足だけのスニーカー、名入りのブレスレット】など《複数の私物》が丁寧に縫い付けられていた。
調査の結果、それらは全て2日前から行方不明になっていた少年【ジェイミー・ウォーリック(12歳)】のものであると確認された。
また、布や遺留品には本人の血液が付着していたことが後のDNA鑑定で発覚した。
周辺の防犯カメラのいくつかには事件当日、林に向かって行進するタイレーツの列が映っていたが映像は途中で《強いノイズ》により中断しており、林の奥に入った後の動向は一切記録されていなかった。
また、その後の捜索でも現場周辺及び崖下、林にもタイレーツたちの痕跡や足跡は一切確認されなかったという。
ポケモン行動学の研究者らは《タイレーツたちが外部から何らかの影響を受けていた可能性》や《何者かに命令・操作されていた可能性》という見方を示しているが、具体的な証拠はいまだ見つかっていない。
また、事件以降この地域でタイレーツの群れの目撃情報は無く、以前出没していた個体群さえもまるで一斉に姿を消したかのように報告が途絶えたという。
ジェイミー本人の姿は今も見つかっていない。
人形と遺留品以外、彼の失踪に関する直接的な証拠は何も残されていない。
人形が何者によって、何のために作られたのか。
なぜタイレーツたちはそれを整然と抱え、行進したのか。
それらの答えは未だ見つからず、ラテラルの住民たちは夜道を歩く時、静かに行進する小さな影を今も警戒しているという。

――文・【ナツキ・サヤ】(ガラル事件調査班)
【管理人の考察】
《人形を運ぶ》意図
人形にはジェイミー・ウォーリック本人の所持品が丁寧に縫い付けられていた。
だが、それとは逆に手作りの人形としてはあまりに粗雑で不気味さばかりが際立っていた。
そこから考えられるのはやはりタイレーツ以外の《ナニカ》、もしくは人が関与していたのではないかということである。
そしてあの人形は遺体を模して作られたものであるならば《ナニカ》の儀式が行われた可能性もあるのではないだろうか。
タイレーツに運ばせ、多くの人が目にするようにしたのも儀式の一貫だったのではと思えてならない。
己の意思か、命令か
通常、タイレーツは秩序と統率を重んじる習性を持つ。
だからこそ“整列して何かを運ぶ”という動作自体には異常性はない。
だが、彼らが《自発的に血の付着した人形を運ぶ》などという行動を選ぶとは考えにくい。
つまり、何者かが命じたかあるいは意図的に誘導された可能性がある。
この一連の行動は《裏にいるナニカ》の存在を考えずにはいられない。
映像を妨害したノイズの正体
防犯カメラの映像に《強いノイズ》が入ったという点も不可解だ。
自然発生的なものとは考えにくく、何らかの電磁的・超常的な干渉があったのではないかと考えられる。
しかし、タイレーツにはそのような能力は備わっていない。
この種の現象は一部のゴーストタイプやエスパータイプ、もしくは電気タイプのポケモンによるものではないだろうか。
それであれば事件の背後に別のポケモンの存在が関与していた可能性も否定できない。
途切れた痕跡
目撃者の証言によればタイレーツたちは町外れの林へと入った後忽然と姿を消している。
崖下や周囲の捜索でも一切の痕跡が見つかっていないという点は極めて不自然だ。
これは浮遊などではなく、《別空間への移送》があった可能性すら想定すべき事例だ。
ガラル地方には過去にも霧の中でポケモンや人の足取りが消えるという報告が少なくない。
タイレーツたちはその《向こう側》に行ってしまったのではないだろうか。
事件は本当に終わったのか
総括して考えるとやはりタイレーツのみで発生した事件とは到底考えられない。
考えれば考えるほどこれは我々に対して《静かなる警告》を突きつけていたのではなだろうか。
つまり、やはり人形はジェイミーを《何らかの儀式の供物》として使用した可能性がある。
誰かが、もしくは《ナニカ》がジェイミーを選んだのだとすればこれは単なる誘拐事件では終わらない。
この行進は《ナニカの始まり》を意味しているのかもしれない。
構事件録
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