発生日時:2024年9月22日
発生場所:カントー地方・シオンタウン郊外
関与ポケモン:不明
【未解決】霧の中の住人
2024年9月22日、カントー地方のシオンタウン郊外に位置する一軒家で一家4人が突如として失踪するという異常事態が発生した。
失踪したのは【イヌカイ・タカシ(39歳)】、妻の【ユカリ(36歳)】、長女の【ミサキ(15歳)】、長男の【ユウタ(12歳)】の一家。
近隣住民の通報により警察が駆けつけた時、家の中には《食事の跡や散乱した衣服》が残されていたが人の姿は一切見当たらなかったという。
この家はシオンタウンの外れに位置し数年前から空き家になっていたが半年ほど前からイヌカイ一家が移り住んでいたという。
彼らがこの家を選んだ理由は《広さに見合わぬ安さ》だったとされている。
この家はかねてより《霧が立ち込める》という不気味な噂が囁かれており、過去の住人たちも何らかの異常を感じて次々と退去していったという背景があった。
しかし、イヌカイ一家が移り住んでから霧はピタリと止み、それが逆に不気味であったと近隣住民は語っている。
そして事件当日、近隣住民が犬の散歩中にイヌカイ一家の家の前を通りがかった際に今まで見たことがない程濃く、大量の霧が立ち込めているのを目撃した。
霧はあまりにも濃く、家の輪郭すら一切見えない程で、近づけば自身も飲み込まれそうな威圧感があった。
さらに恐ろしいことに《霧の中から》10人以上の甲高い笑い声が響いてきたため、警察に通報しその場から逃げたという。
通報を受けた警察が現場に到着した時、霧は依然と立ち込めており、中に入ると視界は数センチ先さえも確認できない状態だった。
手探りでたどり着いた玄関のドアは内側から鍵がかかっており、呼びかけにも一切反応しなかった為こじ開けて中に入ることとなった。
不思議と中の霧は数メートル先までは見える程度の濃さであったため、警察官たちは異様な光景に直面することとなる。
リビングのテーブルには4人分の食事が残され、食器の上にはまだ湯気の立つ料理が置かれていた。
それはまるで彼らが今この瞬間までそこにいて、突然消えてしまったかのような異様な静けさに包まれていたという。
家族を探して家の中を進むとリビングの奥にある寝室の姿見の鏡には無数の白い手形がびっしりと付着していた。
手形のサイズは大人のものから子供のものまで混在しており、どの手形も指が異様に長くなっているものや手が途中で切れたりなど形がいびつに歪んでいた。
さらに奇妙なことに手形のいくつかは薄い霧を纏って湯気のようにゆらゆらと立ち込めていたという。
この霧のようなものは警察官たちが到着してから10分ほど経過した頃から手形とともに徐々に薄れて消えていったとされている。
その後、鏡の表面の指紋採取を行ってみたが、そこには《イヌカイ家族の指紋すら》残されていなかったという。
事件後、警察は失踪した一家の捜索を続けているが手がかりとなる証拠は何一つ見つかっていない。
家の中にはイヌカイ一家の生活用品がそのまま残されており、争った形成期も逃走した形跡もなかった。
彼らが消えたのは《食事の最中》であったと推測されているが周囲の住民への聞き込み調査を行ってもイヌカイ一家が失踪する目撃証言は一切得られなかったという。
現在この家は立入禁止区域として周辺一帯が封鎖されている。
だが、近隣住民たちは依然として《家の中から笑い声が聞こえる》《霧が再び立ち込めている》といった証言を繰り返しており、その噂は次第にシオンタウン全域に広がりつつある。
果たしてイヌカイ一家はどこに消えてしまったのか。
鏡に残された白い手形の意味とは何だったのか。
そして霧の中に潜む《ナニカ》は一体何なのか。
事件の真相は依然として霧の中に隠されたままである。

――文・【アサカワ・ミツヒロ】(カントー事件調査班)
【管理人の考察】
霧が現れた理由
イヌカイ一家が引っ越してきてから霧が止まったという証言があるがそれ以前の住人たちは霧の発生を頻繁に目撃していたという。
霧の正体が一時的に消えたのはイヌカイ一家が住み始めたことで《ナニカ》が潜伏を決め込んだのではないだろうか。
だが、事件当日に限って霧が異常なほど濃く発生していたのは何を意味するのか。
《ナニカ》が眠りから目覚めたのか、準備が整ったのか、それとも別の外的要因が霧を引き起こしたのか。
イヌカイ一家が失踪する直前、霧が再び現れたという事実には何かが隠されているように感じる。
手形の存在
鏡に残された無数の白い手形。
成人のものから子供のものまで混在していたというが、それらの手形がイヌカイ一家のものではなかったとすれば、彼らの失踪前に何者かが《家の中に入り込んでいた》可能性は否定できない。
あるいはイヌカイ一家そのものが《別のナニカ》に変貌してしまい霧の中で異形の姿を見せたのかもしれない。
誰の指紋も検出されず、なおかつ手形が徐々に霧のように消えていったというのも不気味だ。
もしその手形どころか鏡自体が《霧によって形成されたナニカ》だったとしたら…
それは一体何を意味しているのだろうか。
笑い声の正体
近隣住民の証言によれば、霧の中から10人以上の笑い声が聞こえたという。
しかし、イヌカイ一家は4人しかいない。
では残りの声は誰のものだったのか。
過去の住人たちの霊が霧の中で囁いていたのか、それとも《ナニカ》が笑い声を模倣していたのか。
いずれにせよ、笑い声が聞こえたというのは一家が《まだ霧の中で生きている》ことを示唆しているのか…
それとも霧の中で彼らは《ナニカ別の存在》に変わり果ててしまっていたのだろうか。
食事の途中での失踪
家族4人分の食事がそのまま残されていたことから彼らが消えたのは《食事の最中》であったと推測されている。
しかし、食器にはまだ湯気が立ち上っていたということは失踪が《一瞬の出来事》であったことを示唆している。
その瞬間、家族は何を見たのだろうか。
突然現れた霧の中に《ナニカ》が現れ、それを見た家族全員が《一瞬で消されてしまった》のだろうか。
それとも霧そのものが《異界》への入り口であり、家族はその中へ引きずり込まれたのだろうか。
霧の本質
霧の発生時に《笑い声が聞こえる》という証言や、霧の中で形を成した手形の存在から推測するに霧そのものが《ナニカの意識》を宿している可能性はないだろうか。
この霧は単なる自然現象ではなく何らかの力が作用しているようにしか思えない。
家族は今も霧の中で《異界の住人》として生きているのだろうか。
事件現場に立ち込めた霧は今もなお消えず、誰もその家の中に足を踏み入れようとしない。
また誰かが中に入った時には再び霧はナニカを語りかけてくるのかもしれない。
構事件録
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