【未解決】女王の巣窟

発生日時:2024年7月7日
発生場所:ホウエン地方・トウカの森
関与ポケモン:ビークイン(複数・野生)


【未解決】女王の巣窟

2024年7月7日、ホウエン地方トウカの森で伐採業者たちが次々と襲撃される事件が発生した。
被害者は全員重傷を負い、そのほとんどが全身に無数の刺し傷を受けていた。
救助に駆けつけた《ポケモンレンジャー隊》《エーテル財団》は被害者たちの周囲に大量のミツハニーが軍隊の如く飛び交っているのを目撃したという。

しかし、この事件の異常性はこれだけではなかった。
事件の数週間前からトウカの森では数名の村人が《痕跡もなく消す》という行方不明事件が相次いで発生していたのだ。
行方不明者の多くは森の奥に入ったきり戻らず、最後に目撃者した一部の人は【森の奥から駆動音のような音が響いていた】と証言している。
しかし、当時は特に関連性が見出されず調査も進展しないまま時間だけが過ぎていった。

 

事件の翌日《ホウエン地方ポケモンレンジャー隊》《エーテル財団ホウエン支部》の調査班が合同で森の奥深くに踏み込んだ。
道中ミツハニーによる襲撃が複数回あったものの難なく撃退し、森の中心部で《直径100メートルを超える巨大な巣が》発見した。
巣の周囲には臨戦態勢の《3体のビークイン》がホバリングしており、それぞれの周囲には無数のミツハニーたちが一糸乱れぬ統率のもと飛び回っていた。

通常、一つの巣には一匹のビークインしか存在しないとされているため、3体のビークインが共存しているのは極めて異例であった。
エーテル財団の調査員たちは即座にビークインの捕獲を試み、レンジャー隊はバクーダによる熱を帯びた煙幕を用いてビークインたちの鎮静化を図った。
ミツハニーたちは煙幕の影響で次第に戦意を失い次々と捕獲されていったが、その過程でレンジャーの一人が《人骨の一部》を発見した。

骨は巣の近くの地面に半ば埋まった状態で見つかり、年数が経過しているようには見えなかったという。
この発見は現場を一時騒然とさせ、エーテル財団の調査員とレンジャー隊の間で一時的な衝突も発生したとされている。
レンジャー隊の指揮官は『この骨が行方不明者たちのものである可能性が高い』と主張し巣の内部の徹底調査を要求したが、先に巣の中に入っていたエーテル財団は『巣の内部には人骨は確認されなかった』とこれを拒絶。
骨はたまたま巣の周辺にあったものとして、レンジャー隊の一部は周囲の捜索にあたることとなった。

 

外にいたミツハニーの大半を捕獲完了後、巣の内部に入ったレンジャー隊は『奇妙な形の部屋が複数あり、異様に甘ったるい匂いが漂っている』事を確認している。
全体的に一般的なビークインの巣とは内部構造が異なり、極めつけはその中心部に《3つの王座》がある巨大な空間があったという。
だがその後、エーテル財団所属研究員が到着し巣は撤去することになり、以降侵入は禁止とされた為それ以上の調査は行えなかったという。
なお、撤去された巣は全てエーテル財団ホウエン支部の保護区へと送られたが撤去後の調査報告は一切公表されていない。

さらに不透明な事態は続く。
事件解決後、捕獲されたビークインたちの処遇について『危険な個体であり、即時駆除すべきだ』という声が被害者家族を中心に強まった。
だがエーテル財団はこれを断固拒否。
あくまで保護対象であり、処分は今後もあり得ないとの声明を発表した。

だが後にこの発表に対し疑念を抱く者は少なくなかった。
何故ならエーテル財団の保護区内に移送されたビークインたちの現状について詳細な報告は一切行われておらず、保護区内の状況は非公開とされていたためである。
一部のジャーナリストや研究者が立ち入り調査を求めたものの、エーテル財団は【研究機関の許可を得た者以外は立ち入り禁止】としてこれを全て拒否。
本当にビークインたちが保護区にいるのか、あるいは別の場所に移送されたのではないかという疑惑の声は今も消えない。

 

また、巣の撤去作業中に発見された人骨についてもエーテル財団は【偶然その場にあったものであり巣とは無関係】との見解を繰り返すばかりで、巣の中に痕跡がないかの発表はついぞ行われなかった。
行方不明者の家族たちは捜査の再開を求める嘆願書を提出しているが当局の反応は鈍く、事件は事実上の幕引きが図られつつある。

 

しかし、一連の事件を目撃した一部のレンジャー隊員は以下のように語っている。

『あの巣の中には異様なものが複数ありました。
たとえば、複数ある入口のうちの1つは鉄格子のようなもので閉まっていたり、捻れて通れない通路があったり…
極めつけは《玉座の間》の横に異様な形をした部屋がありそこにはドロドロに溶かされ齧られたような大量の動物やポケモンらしき塊があったんです。
奥の方からはハチミツ以上に強烈な、異様なほど甘い香りが漂っていて…
マスク無しでは近づけないと判断して引き換えしたんですが、暗い奥底に《人らしきもの》が座っているように見えたんです。
あの時、無理してでも中に入ってシッカリこの目で確認しておくべきでした。』

だが、この証言すらもエーテル財団によって否定され、正式な調査対象として取り上げられることはなかった。
現在もビークインたちの姿を直接確認できる者はエーテル財団の内部関係者だけであり、保護区の外部からの立ち入りは厳重に規制されている。

森の奥に築かれた巣と、その中にあったという王座。
そしてその巣の中で何が行われていたのか。
行方不明者の消息、撤去された巣の秘密、エーテル財団の不透明な対応…

現状進展は皆無であり、事実上《終わった事件》として扱われているため、今後もこれ以上ナニカが判明することもないだろうと思われる。

――文・【アオタ・ユキエ】(ホウエン自然環境調査局)


【管理人の考察】

《駆動音》の正体とは

行方不明者たちが消える前、森の奥から《駆動音》のような音が聞こえたという証言が残っている。
後の事を踏まえるとこれは《大量のミツハニーの羽音》がそう聞こえたと考えられるが、森の奥で何らかの機械が使用されていた可能性もあるだろうか。
すなわち、行方不明者はそもそもビークインとは無関係だった可能性はもあり得るのではないだろうか…?
少し考えすぎかもしれないが、もしかしたら元々エーテル財団が何か関与していたのではと考えずにはいられない。

異常行動の裏にある可能性

通常一つの巣に複数のビークインが共存することは極めて異常だ。
しかも今回の事件では《3体のビークイン》が共存し、各自統率のとれたミツハニーの軍勢を率いていた。
これが自然発生した現象だとはとても考えにくい。

考えられるのはトレーナーなど《そのビークインを操る上位存在》がいたのではないかという可能性だ。
通報を受けたレンジャー隊員はまだしも、エーテル財団がいち早く駆けつけていたが…
果たして本当に何も関係ないのだろうか。

エーテル財団保護区への疑問

エーテル財団がホウエン支部の保護区にビークインたちを移送したことは公式に発表されているが、問題はその後の対応である。
保護区内の状況は非公開とされており、確認できる者はエーテル財団内部の一部関係者だけだ。
これではビークインたちが無事に保護されているのか、それとも他の目的で利用されているのか、そもそも別の場所にさらに移送されているのか、外部からは一切確認する術がない。
これが《保護》の名のもとに隠蔽された別の計画である可能性は否定できないだろう。

行方不明者と巣の関連性は無視できるのか

事件前に森の奥で発生していた《行方不明事件》は巣の発見後にも関連性が指摘されている。
レンジャー隊員の証言によれば巣の内部には《異様な形をした部屋》が存在し、そこには溶かされ齧られたような動物の塊が散乱していたという。
しかし、エーテル財団は巣の内部について《人骨はなかった》と明言している。
《玉座の間》という極めて重要な場所の周囲の部屋を見落としているとはとても思えない。

この矛盾をどう捉えるべきか。
もし巣の中に行方不明者の痕跡があったとしたら、財団がそれを隠蔽している可能性が極めて高いと言えるのではないだろうか。
巣の内部の詳細な調査報告が未だに公開されていないことがその疑念を強めている。

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