発生日時:1972年2月18日
発生場所:ジョウト地方・フスベシティ郊外 山間部高地
関与ポケモン:ユキワラシ(1体・野生)
【未解決】フスベ穿つ光の柱事件
1972年2月18日、ジョウト地方【フスベシティ】北方の山間高地において、未曽有の自然異常が観測された。
この現象は後に【フスベ穿つ光の柱事件】と呼称され、いまなお原因不明の未解決事件として扱われ続けている。
事件は、冬季閉鎖中だった山中にある監視施設内の地元警備隊が異様な《強烈な発光》及び《天まで登る光の柱》を目撃したことから始まった。
発光は非常に明るく、付近の樹氷すら透過し、麓の街道からもハッキリと視認できるほどだったという。
当初は落雷のような自然発光現象、または違法な人工照明や爆発を疑ったが、振動は一切なかった。
出現した光りは一向に消える気配もなく、異常事態であることは間違いなかったため、複数の警備隊が現地に向かった所、そこには想像を絶する光景が広がっていた。
現場には直径約15メートルにも及ぶ、積雪だけでなく地面すらも完全に貫通した《真円の光る穴》が開いており、その穴から空の彼方まで光の柱が伸びていたのである。
あまりの明るさから目視では測定不可だったものの、道具を使用して確認できた深さは少なくとも30メートル以上だった。
これほど大きな穴だと通常なら雪崩や大規模な崩落、あるいは噴火口の出現等も考えられるが、周囲には崩れた痕跡や噴出物が一切なく、まるで最初からなんの変化もなかったかのように滑らかで静かに穴が開いていたという。
さらに、穴から放たれていた光には熱が感じられず、雪は一切溶けておらず、周囲は変わらず冷えきっていた。
調査班は火山性噴気や地下ガス爆発、地盤陥没などの通常の自然現象を可能性として検証したが、地質の安定性に異常はなく、火山活動の兆候も皆無。
ガスによる空洞形成も一切の熱を発生させず、なおかつこんなに完璧な円形を描くことは物理的にあり得なかった。
自然現象として説明するにはあまりにも無理があり、現地調査班も困惑を隠せなかったという。
そんな中、周辺で小型の足跡が発見された。
それは短い二足歩行の跡が跳ねるように点在しており、【ユキワラシ】によるものと判定された。
加えて、穴からやや離れた木の下では衰弱した1体の野生ユキワラシが発見され、後に保護された。
ユキワラシは外傷こそなかったが著しく衰弱しており、極端なショック状態に陥っていた。
搬送後も一時的に摂食を拒むなど、異常なストレス反応を示している。
ただし、保護されたユキワラシがこの現象の原因だったのか、それとも偶然現場に居合わせただけだったのかは、未だ不明である。
通常、ユキワラシは寒冷環境を操る程度の能力しか持たず、空間ごと地面をえぐるような事象を起こすとは考えにくい。
しかし、極限環境下でポケモンが通常では見せない力を一時的に発現する例は数多くあり、完全に否定はできないというのが公式調査報告の結論だった。
なお、この事件をさらにややこしくしたのは現地の記録映像のほとんどが《光量過多による撮影失敗》を起こしていた点だった。
発光があまりに強すぎたためカメラセンサーが適応できず、残されたのは白飛びした無意味なデータばかりだったのである。
数少ない記録写真も肝心の穴のディテールを把握するにはまったく役に立たなかった。
さらに、当初現場が激しい吹雪に見舞われたため本格的な二次調査は一時的に見送られる形となった。
数日後、天候が落ち着いてから再び調査班が現地に向かったが、驚くべきことに雪を掘り返しても《穴そのものが跡形もなく消失していた》のである。
雪の中はもちろん、地盤を掘り返しても、通常なら穴の周囲に残るはずの破砕痕や沈下跡すら存在しなかった。
周囲一帯には微かな異常磁場が記録されていたものの、それも時間と共に消え、最終的には調査も打ち切られることとなった。
結局、【フスベ穿つ光の柱事件】は視覚記録も検証不能、現地再調査も不発、原因のポケモン特定もなしという三重の謎を抱えたまま、未解決事案となった。
唯一残されたのは《保護されたユキワラシ》と、夜を真昼のように照らした強烈な光の目撃証言だけである。
あの日、雪原に穿たれた光の穴が、あるいは光の柱がどこへ通じていたのか。
その問いに答える手がかりは、今も吹きすさぶフスベの寒風にかき消されている。

――文・【ハセガワ・リュウジ】(ジョウト自然異常事例研究室)
【管理人の考察】
《穴》と《光柱》の異常性について
今回の事件で特に不可解なのは《直径約15メートルにも及ぶ真円の穴》が積雪だけでなく地面までも一切崩壊や破壊痕なく貫通していた点である。
自然現象でこれほど完璧な円形かつ滑らかな穴が生じることは、既知の科学では説明がつかない。
しかも穴の内部から放たれていた光は圧倒的な強度でありながら、一切の熱を伴っていなかった…
熱を持たない強烈な光源というだけでも異常だが、それが地面を穿つほどの影響を持っていたことはさらに説明不能な要素である。
穴の消失と痕跡の欠如
二次調査が吹雪のため遅れた結果、数日後には穴自体もその痕跡すら完全に消失していたという点もまた重大である。
通常なら巨大な穴が形成された場合、周辺地盤には必ず歪みや沈降、破砕帯といった形で痕跡が残る。
しかし今回、雪中にも地中にもそうした物理的証拠はまったく発見されなかった。
この事実からもしかしたら物理的な穴ではなく、もっと異なる現象…
つまり、《穴なんてそもそも存在していなかった》可能性すらあり得るのではないだろうか。
記録映像と検証不能の問題
現地で撮影された記録映像のほとんどが光量過多による撮影失敗に終わったことも、この事件をさらに深く覆っている。
強すぎる光がカメラのセンサーを機能不全に陥れたため、決定的な映像証拠が存在しない。
これにより、当時現場で何が起こっていたのかを後追いで検証する手段が完全に絶たれてしまった。
目撃証言やイメージ映像等は残されているが、科学的検証が不可能なままになっている。
ユキワラシの存在について
現場付近で保護された【ユキワラシ】の存在は、事件と何らかの関連性を持つ可能性を示唆している。
発見時、【ユキワラシ】は明らかに通常とは異なるショック状態にあったものの、外傷はなく、強い精神的ストレスのみが確認されている。
【ユキワラシ】の持つ能力は主に冷気や吹雪の制御であり、空間そのものを穿つような影響力や持続的な光の柱を出現させるなどは記録上存在していない。
つまり、【フスベ穿つ光の柱事件】の発生に巻き込まれ、結果として精神的ダメージを負った可能性の方が高いと見るべきだろう。
構事件録
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