【未解決】声真似る山の子

発生日時:2004年10月
発生場所:シンオウ地方・テンガン山
関与ポケモン:マネネ(2体・野生)


【未解決】声真似る山の子

2004年10月12日シンオウ地方【テンガン山】で家族とハイキング中だった少女(10歳)が忽然と姿を消した。
午後4時ごろ、中腹の休憩所で母親が水を汲みに立ったわずかの間に少女は忽然と姿を消したという。
時間にして数分足らずしか離れておらず、周囲には険しい地形や急な斜面は存在しなかったにも関わらず側にいた父親も周囲の人も少女がいつ消えたのかさえ認識していなかった。

失踪直後から家族は周囲を探し、通報を受けた警察と消防がその日のうちに現場を確認。
翌朝には地元消防団や登山ボランティア、捜索に特化したポケモンレンジャー部隊も投入され、延べ200名規模の捜索が展開された。
足跡は休憩所から約30メートル離れた場所で唐突に途絶えていた為、登山道以外で人が通った痕跡がないかを重点的に探索された。

事件から2日後、捜索隊の複数人が山腹の針葉樹林の中で不可解な現象に遭遇する。
ある隊員が『助けて』『ここだよ』『おかあさん』といった少女の声を聞いたと報告し、同時に他の数名の隊員も《笑い声が混じった人語》を聞いたと証言した。
その声の方向へ移動すると小さな影が木々の間を横切るのが確認され、追跡を開始。
数分ほど追いかけていくと深い藪の奥で発見されたのは2体の【マネネ】だった。

マネネのうち1体は《少女が失踪時に着用していた青い帽子》を被っており、もう1体は《少女が身につけていたお守りのペンダント》を首から下げていた。
そして2体のマネネは少女の声色を忠実に真似しながら『助けて』『こっちだよ』『もう嫌だ』と交互に発しながらくすくすと笑っていたという。
隊員がさらに近づこうとすると2体は素早く笑いながら森の奥へと走り去った。

 

その後、マネネの後を追って獣道を進んだ隊員らが発見したのは木の根元に落ちていた《引き裂かれ血痕の付着した少女の服》《バラバラにされたリュック》だった。
リュックの中身は散乱し土にまみれていた。
周囲には断続的な血痕が点在していたが少女の姿はどこにもなかった。

服や持ち物に残された血液は後日DNA鑑定で少女本人のものであると確認された。
周囲にきっといると信じ、警察と山岳救助隊による捜索はさらに20日間継続されたが新たな痕跡は一切見つからなかったという。

当初マネネが少女の失踪に関与した可能性も指摘されたがマネネは人語の模倣こそすれど物理的な攻撃能力は乏しいため服やリュックを引き裂く力は持ち合わせていないと結論付けられた。
ポケモン行動学の専門家は以下のように述べている。

マネネが少女を直接襲ったとは考えにくい。
だが、マネネが楽しげに振る舞っていたことを考えると少女に危害を加えた存在はマネネにとって《安心できる存在》だった可能性がある。
つまり自身には危害を加えないという確信がある中で過去幾度となく犯人が動物などを襲っている姿を目撃していると考えられる。
また、犯人もマネネがそれを見て喜ぶと思ってあえて見せているということも考えられる。
それが今回なぜ人間の少女がターゲットになったのかはわからないが、このまま放って置くとまた誰かが犠牲になるかもしれない。
早急にマネネの捕獲と、犯人の確保をするべきである。』

 

翌年の2005年、同じ登山道を訪れていた親子が『青い帽子を被ったマネネを見た』と警察に通報。
駆けつけた警察とレンジャー隊が周囲をくまなく探索したが今回もマネネは発見することが出来なかった。
該当の登山道は封鎖され、今もなお立入禁止区域に指定されている。

現在も少女の行方は分かっておらず事件の真相は未だ明らかにされていない。
だが今もテンガン山では年に数回【笑う子供の声がする】という報告が相次いでいる。
声の内容は一貫して『ここだよ』『おかあさん』『こわいよ』などであり、常にクスクスと楽しそうに笑っているという。

――文・【ナオ・キシベ】(シンオウ民間事件記録会)


【管理人の考察】

空白の時間

家族がほんの数分目を離した間に少女が姿を消したという点は事件全体の不気味さを象徴している。
周囲に急斜面や危険な地形がないにもかかわらず、誰にも気づかれずに消えたという事実は単なる失踪や事故では説明がつかない。
多数の人がいたにもかかわらず誰一人として《少女がいなくなる瞬間》を見ていなければ音も聞いていない。
まるでその間の時間そのものが切り取られたかのような違和感を覚える。

恐ろしい声真似

捜索隊が聞いたという声は内容が具体的でなおかつ当事者である少女しか発さないような言葉ばかりであり極めて恐ろしい。
そしてその声に笑い声が混ざっていたという証言は状況の異常さをさらに際立たせている。
これらの声が全てマネネの模倣だったとしてもそれを《何のために》行っていたのかという動機が問題になる。
模倣の背景に《悪意の存在》があるとするならそれはマネネが誰かに仕込まれていた、あるいは誰かと共に行動していたことを示唆している。

関与した別の《ナニカ》

現状知られているマネネの能力では服やリュックを破壊するのは困難とされている。
では誰がそれを行ったのか。
服に残された血痕や破れ方から考えてもかなり力のある《別のナニカ》が明確に人間の子供を襲う意思を持って行動したようにしか思えない。
そしてマネネが被害者の持ち物を身につけていたことは偶然ではなく事件と何らかのつながりを持つ存在と一緒にいたからこそ、それを拾い持っていたと考えられる。
マネネはただ面白がって真似をしていたのではなく、誰かがその行為を教え喜ばせていた可能性がある。

模倣ではなく演出

ナニカマネネに少女の声を覚えさせ、あえてそれを発させることで人間を誘導するような演出を意図していた可能性はないだろうか。
事実、捜索隊は声に導かれるように森の奥へ進みそこで少女の痕跡を発見している。
これは偶然ではなく明確にマネネが現場まで誘った結果であり、発見させることそのものが一連に含まれていたのではないだろうか。
そう考えると背後には明確な意図と知性を持つ存在の影が浮かんでくる。

続く笑い声

事件から20年近く経過した今もテンガン山で《子供の笑い声》に関する報告が絶えないという事実は無視できない。
これは《ナニカ》が山に今もいて同様の事が繰り返されているということではないだろうか。
声が今も続いている以上この事件はまだ完全には終わっていない。
マネネがこれほど長い期間真似ているのであればそれはもはや明確な《共犯》なのかもしれない。

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