発生日時:2020年4月15日
発生場所:ガラル地方・スパイクタウン
関与ポケモン:オーロンゲ(1体・野生またはトレーナー所有)
関与人物:不明
【未解決】鮮血舞う宴
2020年4月15日深夜、ガラル地方スパイクタウンの廃ビルで凄惨な事件が発生した。
現場となったのは地元でも不良たちの溜まり場として知られていた廃ビル。
事件発覚のキッカケは《血まみれの若者》が近くのコンビニエンスストアに逃げ込んできたことから始まった。
店員の証言によれば彼は息を切らし、返り血で全身が赤黒く染まっていたという。
若者は恐怖のあまり言葉も発せずその場に崩れ落ちた。
恐怖に震え続ける彼の様子に異常を感じた店員は即座に警察に通報。
同時に、その場に居合わせたスパイクジム所属トレーナーがジムリーダー・ネズにも連絡を入れたことで、警察とスパイクジムのトレーナーたちが現場へと急行する事態となった。
現場に駆けつけた警察とトレーナーたちが目にしたのは言葉を失うほどの《地獄絵図》だった。
廃ビル内部は血の匂いが充満しており、壁や床、天井の至る所に血や《彼らの一部》が飛び散っており血の海と化していた。
散乱する遺体の数は確認されたものだけで9名。
彼らは皆、強烈な力で四肢を引きちぎられ、壁や床に叩きつけられ、中には《ロープらしきもの》で締め付けられたような痕跡があった。
周辺には遺体の所有物と思われるタバコや缶ジュースの残骸が散らばっており、事件当時の狂乱の様子が生々しく残されていた。
彼らが駆けつけた時点で犯人の姿はなく、また廃ビル内及びその周辺に監視カメラはないため犯人の姿を確認する術はなかった。
その後の調べでも映像として残っていたのは、逃げ込んだ若者が駆け込んできたコンビニの監視カメラに事件の数十分前に《廃ビルへと向かっていく被害者達の姿》のみであった。
ジムリーダー及び警察がコンビニへ戻ると、唯一の生存者となった若者はようやく震える声で事件の詳細を語った。
『さ、最初はいつも通りみんなで騒いでただけだったんス…
そしたら突然、灯りを置いてるのに1cm先も見えないくらい真っ暗になって…
みんなパニクってたんスけど、ふと耳元で《ナニカが囁く声》が聞こえる事に気づいて…
その瞬間、異様なまでの闇が消えて月明かりでボンヤリと少しだけ見えるようになったんス。
それと同時に俺達の中心に《1体のオーロンゲ》がいることに気づいて…
みんながビビってると急に、わ、笑いだして…
そしたら、あ、あいつは一人一人を掴んで振り回して、みんなの断末魔と腕や足が引きちぎれる音が響き渡って…
に、逃げるしかなかったんス。
助けるとか、そういう次元じゃなくて、一人でも《助かれば》運が良い方って思える程絶望的で…
散り散りに逃げて、お、俺は…たまたま運がよかったから…
あ、あの化け物から逃げれて…』
以上の彼の証言によればオーロンゲは異常なまでの狂気を宿して若者たちを次々と襲い、まるで《遊んでいるかのように》腕や脚を引きちぎっていったという。
逃げ延びた彼もまた一歩間違えれば命を落としていた可能性が高い。
事件の調査にあたったガラルポケモン研究所所属職員は今回の事件についてこう語る。
『現場に残された遺体のいくつかには縄か何かで締め付けられた痕跡が確認されているという報告も受けました。
確かに、オーロンゲの毛は自在に伸ばして相手を縛り上げることができるのでこの痕跡もオーロンゲの関与を裏付ける証拠であると言えます。
しかし、オーロンゲは通常、森の奥深くに棲むポケモンであり都市部の廃ビルに現れること自体異常です。
わざわざ生息地から離れた廃ビルに現れ、若者たちを虐殺した理由が全く見当たらない。
さらに、オーロンゲはイタズラ好きではあっても、これほどまでに残酷な行動を取ることは通常あり得ない。
野生種であれば尚更、これほど無意味な暴力を振るうとは考えにくいので、そもそもオーロンゲではなかった可能性すらある。
もし本当に今回の惨事がオーロンゲ単体によるものであるならば、何らかの外的要因があったのではないかと考えます。』
上記のことから一部報道では《トレーナー所有》の可能性を指摘している。
だが、もしオーロンゲがトレーナーの指示を受けて襲ったのであればその目的は何なのか。
単なる嫌がらせや制裁というレベルではない残酷さが伺える。
その後スパイクジムのジムリーダーの指示のもとオーロンゲの目撃情報の収集が続けられていたが事件以降、その姿は一度も確認されていない。
また、廃ビルの内部には未だに《返り血の跡》がこびりついており、周辺住民は誰も近寄ろうとすらしなくなった。
一夜におきた謎の惨殺事件の捜査は今も暗礁に乗り上げたままである。

――文・【シラヌイ・タクマ】(ガラル異常事件調査班)
【管理人の考察】
残虐行為の背景
オーロンゲは通常、悪戯好きで狡猾な性質を持つものの人間を惨殺するような暴力的行動は極めて稀だ。
今回の事件ではオーロンゲが廃ビル内の不良グループをまるで《楽しむように》引きちぎり、振り回し、散々弄んでいる。
もしこれが単なる野生種の仕業であるならば生息地である森を離れ、廃ビルまで出向いてまで行った動機が説明できない。
彼をここまで暴走させたのがトレーナーの指示だとしても、それを嬉々として行う狂気性は今後別の事件をどこかで起こす可能性すら伺える。
オーロンゲと廃ビルの関係
通常、オーロンゲは森の中に生息しているため、町中の廃ビルに現れたこと自体が異常行動といえる。
もしこれが《トレーナーの指示または実験》によるものだとすれば廃ビルに現れたのも頷ける。
選ばれた廃ビルは不良たちの溜まり場であり、周囲は監視カメラも設置されていない。
犯行現場としては《目撃者がいない》かつ《警察の介入が遅れる》上に《ターゲットを絞れる》理想的な環境だ。
つまり、これは計画的な犯行であった可能性が高い。
トレーナーの存在とその意図
もし今回のオーロンゲがトレーナー所有だった場合、そのトレーナーの動機は何なのか。
無差別に若者たちを惨殺した理由として考えられるのは《復讐》または《実験》ではないだろうか。
廃ビルに集まっていた不良たちは地元でも素行不良で知られていたという。
彼らが過去に誰かに恨まれるような行為をしていたのなら、復讐目的の犯行という線も考えられるが、ただの復讐にしては些か《やりすぎ》だ。
徹底的に破壊した犯行の手口は《抑えの効かない暴力衝動》を感じさせる。
つまり《どこまで命令を聞くか試した》、もしくは《オーロンゲに何らかの精神汚染を施した》可能性も否定できない。
探すべきは本当にオーロンゲなのか
仮にオーロンゲがトレーナー所有であった場合、そのトレーナーは《相当な異常者》と見て間違いないだろう。
そんな異常者が関与していたのであれば、何より恐ろしいのが全くの痕跡もなく今もなお発見されていないということだ。
つまりその犯人は突発的ではなく《計画的に犯行を行い》、犯行後も《通常の生活》を繰り広げながら今も生きているということである。
そして、《殺戮の快楽》を与えたポケモンがオーロンゲが初ではない可能性すら高い。
今もどこかの街で悍ましい事件を起こす準備をしているのではないだろうか
構事件録
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