【解決済】供物溢れる地下樹木

発生日時:1984年3月20日
発生場所:イッシュ地方・セッカシティの教会
関与ポケモン:オーロット(単体・超巨大個体)


【解決済】供物溢れる地下樹木

1984年3月20日、イッシュ地方セッカシティの古びた教会の地下で《戦慄の儀式》が明らかになった。

事件の発端は旅をしていた若いトレーナーが新しいポケモンとの出会いを求めて町外れに佇む教会を探索に向かったところから始まる。
誰も近づかない古びた教会と聞いていたが入口に《黒装束で顔を隠したトレーナー》がおり、剣幕な態度で近づくことを拒んできた。
謎のトレーナーを撃退すると逃げていったためそのまま中に入った所《異様な腐臭》を感じ、ここで以前何か事件でもあったのか気になり友人であるポケモンレンジャーに相談した。
するとレンジャーは直感的に何かがおかしいと感じ、複数の隊員と共に現場の教会へと急行。
彼らと共に教会内を捜索したところ地下への隠し階段を発見し、突入したその先には《地獄絵図》が広がっていた。

 

地下室は広大な空間で、まるで異様な森のように《無数の枯れ木》が地面や壁に絡みついており、最奥の中心には《座った状態で優に80メートルは超える超巨大なオーロットの遺骸》が鎮座していた。
異常なまでに大きなオーロットはミイラ化しており、その全身には太く黒ずんだ木の根が絡みつき、まるでその体を縛りつけるように巻きついていた。
さらにオーロットの足元では複数の黒装束の者が祈りを捧げており、彼らの前にある台座には《複数の生首が並べられ》、周囲は血に染まっていた。
この光景を目にしたレンジャーたちは一様に言葉を失い、中には完全に戦意喪失した者もおり離脱していったという。

残ったレンジャー隊と旅するトレーナーにより、その場にいた黒装束の者たちを撃退、捕縛した。
彼らが使用するポケモンは戦闘においてはそれほどチカラを発揮しないものばかりだったが、しかし、《人間を拉致すること》に長けた技と能力を備えたものばかりであったという。

 

捕縛後、改めて《祭壇》に目をやるとその上には頭部以外にも《黒ずんだ壺》がいくつも並べられていた。
壺の中はナニカの液体が満たされており、その液体の中には《子供たちの髪の毛や歯》と見られる物体が浮かんでいた。
異様な光景に耐えかねたレンジャーの一人はその場で嘔吐してしまい、現場は一時騒然となったという。

が、それだけでは終わらなかった。

嘔吐したレンジャーの介抱をしていた際に、ふとその周囲の地面に《無数の白骨》が乱雑に散らばっている事に別の隊員が気づいた。
その数は最初に確認されたものだけでも《少なくとも百人分以上》
遺体の多くは大きさから子供のものと見られ、一部にはまだ衣服の破片や靴が残っていた。
それらは時系列もまちまちであり、百年以上、あるいは数十年前に亡くなったと推定される骨から《数日前に捧げられたもの》と見られる骨までが混在していた。

樹木のあちこちには文字がびっしりと刻まれ、そこには【魂の供物を捧げよ】【木の王を復活させよ】【さらなる血を】などの不穏な文言が並んでいた。
さらに、オーロットの根元には《子供たちの名前を刻んだ木札》が無数に吊るされており、それらの札はまるで生贄として捧げられた者たちの《名簿》のようであった。

さらによく見ると祭壇の後ろにいるオーロットには穴が開いており、その《オーロットの内部》には《円形の祭壇》があり、その中央には巨大な《人型の木彫り像》が立っていた。
その木像の腹部には《無数の小さな穴》が開いており、その中には《子供たちの所有物》と見られるおもちゃや靴、手紙などが詰め込まれていた。
まるでその木像が《供物を飲み込んでいた》かのように見える光景に勇敢に戦っていたレンジャー隊の大半は恐怖に震えたという。

 

なお、若いトレーナーが捉えた黒装束の者たちに聞いた所、この教会で行われていたのは《古代に滅びたオーロットの王を復活させる儀式》だったということが判明。
彼ら曰く、子供たちの魂を供物として捧げることでオーロットの魂を蘇らせ、最強の守護者を手に入れるという狂信的な教義を信じていた。

そしてこのような儀式を少なくとも300年以上前から露見しないよう慎重に行われていたという。
基本的に信者たちは遠方の村々で供物を集めたり、セッカシティを離れる家族や引っ越し予定の家族を狙い巧妙に証拠を隠してきた。
だが、《復活の儀式》を目前に控えた彼らは焦りからか一度に大量の供物を集めるために近隣住民にも手を出し始めた。
その結果、セッカシティ周辺で立て続けに子供たちの失踪が発生し、警戒していたレンジャー隊が即座に駆けつけたとのことであった。

 

だが、事態はさらに急展開を見せる。
レンジャー隊たちがどうするべきか議論している最中、突如として《プラズマ団》が現場に現れたのだ。
彼らは『この場は我々が引き継ぐので君たちは撤収せよ』と一方的に告げ、教会全体を即座に封鎖。
周囲には厳重な警戒線が張られ、その後数週間にわたり《情報規制》が敷かれた。

その後、プラズマ団の隊員たちは教会内部を封鎖したまま、《何かの大型機材》を運び込む姿が目撃されている。
だが、教会の内部で何が行われたのかその詳細は明かされることはなかった。
2ヶ月ほどが経過すると突如教会は完全に取り壊された。
その跡地は地下の広大な空間含めて何も痕跡が残されていない更地となったが、何故か高い塀に囲まれ現在では《立ち入り禁止区域》に指定されている。

さらに数ヶ月後、プラズマ団は公式に以下のように発表をした。

『我々は教会地下で発見された全ての遺体を速やかに回収し、埋葬致しました。
また、勿論遺族が確認できた方々にはご報告を欠かさず行い、全ての対応を無事完了致しました。
このような凄惨な事件が長年にわたり誰にも認知されることなく続けられてきたことには、強い憤りを感じざるを得ません。

もし、ポケモンとの正しい向き合い方が徹底されていれば、このような事態は決して起こらなかったはずです。
この事件がもたらした教訓を忘れぬよう、私たちは同じ悲劇を繰り返さぬための措置を講じました。
教会地下は完全に埋め立て、建物自体も取り壊し、二度とそのような出来事が再発しないようにしたのです。

また、捕縛した黒装束の者たちに対しては厳正に処罰を施しました。
そして残党の有無についても現在確認を行っており、我々は何一つ見逃すことはありません。
彼らがセッカシティの住民の皆様にこれ以上の恐怖を与えることは決してありません。

最後に、オーロットの遺骸についてもすべて回収し、適切な処置が施されたことをご報告申し上げます。
どうか、皆様はご安心ください。』

 

それ以降追加発表は行われず、オーロットの具体的な処置等については国際警察に解体されたあの日をもってしても一切明かされなかったという。

一部のレンジャー隊員は以下のように語る。

『オーロットの遺骸はあまりに巨大で搬送するのはほぼ不可能と言える。
どうやって運び出したのか見当もつかない。
それにあの広大な地下空間を埋め立てたのも信じられない。
埋めるための土がどれほど必要か…とてもじゃないが想像できない。

もしかしたら蓋をしただけであの空間は残っているんじゃないか?
オーロットもその場に鎮座したままなんじゃないか…そんな思いもよぎります。』

 

現在《立入禁止区域》に指定された教会跡地は高い塀に囲まれ複数の監視カメラが設置されている。
だが、その映像も一般には公開されておらず、そもそも誰が監視を行っているのかも不明である。
教会の地下室にあったオーロットの遺骸は本当に処理されたのか、それともまだその場に鎮座しているのか…
私達にそれを確認する術は残されていないのかもしれない。

――文・【フカザワ・アリサ】(イッシュ異常現象調査会)


【管理人の感想】

300年以上もの長い間、誰にも知られることなく行われてきた儀式。
そして、その目的が《巨大なオーロットの復活》だったというのだから、背後に潜む狂気と執念を思うと背筋が凍るような不気味さがある。

それにしてもこれほどの大量の遺体が発見されながらも事件の全貌が不透明なまま幕引きされたことには強い違和感を覚える。
特にプラズマ団が介入してからの動きがあまりにも迅速かつ強引で、まるで彼らが事前に何かを知っていたかのようにも見えてしまう。

オーロットの遺骸は本当に処分、または持ち出されたのだろうか?
それとも教会跡地にそのまま放置され、ただ地下に蓋をしただけなのか…
プラズマ団の声明は曖昧でその後の情報公開も一切ないままなため、様々な憶測が飛び交うが今となってはその確認のしようもない。

教会跡地の現状も不気味だ。
立入禁止区域として厳重に監視されているが、一体何を見張っているのだろうか。
未だ眠る巨大なオーロットの遺骸なのか、まだ安置されたままの供物なのか、それともそれら儀式により《新たに生まれそうなナニカ》なのか…

もしかしたらプラズマ団が儀式の続きを何らかの形で引き継いでいるのではと勘ぐりたくもなる。
ただその場合、現在既に解体されている事を考えると今は政府が関与しているのではないだろうか…

長年にわたって繰り返されてきた供物の儀式。
消えた子供たちの魂は本当に救われたのだろうか。
この不気味な余韻が残る限り真実はまだ完全には封じ込められていないように思えてならない。

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