【未解決】ポニ島研究所消失事件

発生日時:2023年12月26日
発生場所:アローラ地方 ポニ島 山岳地帯北部・未登録区域
関与ポケモン:ベベノム(単体・トレーナー不明)


【未解決】ポニ島研究所消失事件

2023年12月26日未明、アローラ地方【ポニ島】北部の山岳地帯にて記録的な地震が発生し、登山中のベテラントレーナー複数名から『空に裂け目のような光が複数回走り、その直後に地響きが起きた』との通報が相次いだ。
海の民の村では確認されなかったものの、山道や渓谷にいたトレーナー達は同時刻に全員が直後に《ウルトラホール》の出現を確認しているという。

翌朝、ポニ警察が現場に到達した時、そこには本来存在しないはずの《未登録研究施設跡》が確認された。
この施設は土地データが存在せず、元は岩山を模した外観で隠すように建てられていたようであり、明らかに非合法な建造物だった

施設は半壊どころではなく、外郭も含め内部の構造体すべてが重度に焼損・溶解しており、一部の建材は岩盤をも溶かして固着していた。
空間そのものが内側から破裂し、押し出されたかのような構造の歪みも各所で確認された。

内部にはポケモンの収容設備や液体浸漬型の生体カプセルが残されていたが、どれも原型をとどめない状態だったという。
特に注目されたのは、施設内部から採取された生体痕跡が【ベベノム】と一致したことだ。
この個体が収容されていたと見られる一番奥の区画では、もはや壁も床も判別できない溶融状態で、あらゆる電子装置・記録媒体・セキュリティログは破壊ではなく《完全に消滅》しており、回収不能となっていた。

これにより、施設の運営目的や研究内容は一切明らかになっていない。
記録は後に人為的に消されたのではなく、あまりに強烈な出力で《何もかもが一瞬で破壊された》可能性が極めて高い。

一方、施設内の複数地点からは他にもポケモンの破片等の痕跡が見つかっており、それらは【サザンドラ、ヌメルゴン、トゲキッス】などドラゴンタイプフェアリータイプに分類されるものとされている。
いずれも戦闘力・適応性・その他能力に優れる種であり、ベベノムとの接触や干渉を前提としたより踏み込んだ実験が行われていた可能性がある。
断片的な痕跡からは、対戦記録吸収実験構造変換のような手法も一部で行われていたと推測されているが、決定的な証拠は一切得られていない。

しかし施設全体に使用されていた機器や鋼材、構造設計、ラベルや配線型番、冷却循環ユニットの設計に至るまでの多くが【エーテル財団】が独自に運用していた最新研究設備と一致。
また、ベベノムは本来アローラ地方では極めて稀にしか確認されないウルトラビーストであり、過去に【エーテル財団】が管理していた事も記録されている。
これらの点から一部メディアやネット上では『今回の施設にはエーテル財団が関与しているのではないか』という憶測も飛び交っており、専門家も《関与がなかったとは言い切れない》状況であることを指摘した。

この件に対して、【現エーテル財団】の代表は記者会見でこう述べている。

『我々、エーテル財団は過去の遺産を断ち切り、全てのポケモンと共に生きる平和的な未来を目指して活動しています。
また、当財団は現在全てのウルトラビーストに対し厳格な管理体制を敷いております。

このような違法な研究行為に、財団として一切の関与はありません。
当然、この施設で確認された財団設備と思しき機材についても、我々が保有・提供した事実は一切ありません。
可能性としてはかつての代表が過去に流出した機材を無断で使用したものでしょう。
財団は引き続きこの件の調査に協力すると共に、あらゆる過去の影と誤解に立ち向かう覚悟でおります。』

一方、その後の現場調査時に周辺地域で確認された異常も報告されている。
施設から北東の尾根を越えた渓谷沿いには、合計で3ヶ所《底の見えない垂直の深穴》が確認された。
いずれも直径は約2〜4メートルほどで、周囲には崩落の跡も人工的な掘削の痕跡も存在しない。
深度は20メートルまでは確認されたがそれ以上は光も音の反響すら知覚できなくなったため急いで引き返し、それ以上は未測定となった。
以降、内部へ向けた探査は安全上の理由からエーテル財団が管理し、保留となっている。
これらの空洞が自然現象か、それとも施設崩壊と同時に発生した《空間的な余波》によるものなのかは今もわかっていない。

現場周辺は現在アローラ統括警察本部の指定により一部立入禁止区域とされており、関係者以外の進入は禁止された。
だが、封鎖線の外では一部の登山者やマニアによる違法侵入やエーテル財団との衝突が繰り返されており、現地の警備は強化されつつある。

この場所で何が生まれ、何が暴れ、ナニが帰り、ナニがやってきたのか。
残されたのは答えを知る者のいない廃墟だけである。

――文・【ヒノモリ・カエデ】(アローラ新聞社)


【管理人の考察】

研究施設はなぜ一瞬で消えたのか?

まず最も気になるのは、研究施設そのものが一般的な爆発や倒壊ではなく《内側から溶け落ちた》という点。
これは単なる事故ではなく、何かしら《限界を超えた力による干渉》が発生した結果ではないかと考えている。
特に、中央区画の状態から見てベベノムが引き起こしたか、あるいは《引き金にされた》可能性は否定できない。
研究対象としてコントロールできていたなら、ここまで一瞬で全データが消えるとは思えない…
果たして本当に実験は失敗に終わっているのか。
それとも、これが、今の形が求めていた結果だったのだろうか。

なぜドラゴンとフェアリータイプだったのか?

施設内で確認された複数の痕跡は、サザンドラやヌメルゴン、トゲキッスなど能力値の高いポケモンばかりだった。
これらはやはり【ウルトラビーストとの共鳴実験】、もしくは【特定タイプとの構造融合】が目的だったのではないだろうか。
制御のためなのか、より強い個体を作ろうとしたのかはわからないがいずれにせよ、非合法極まりない実験が行われていた事が想像できる。

機材が《エーテル財団製》だったのは偶然か?

今回最も物議を醸しているのは、施設で使用されていた数々の装置が《最新のエーテル財団製品》と一致している点。
現代表は《一切関与していない》と説明していたが、ここまで一致する構成と機能を《過去に第三者が提供した》とは考えにくい。
旧代表のルザミーネが何も語れない状況だからと全責任を押し付けて隠れ蓑にしているようにしか思えない。

かつての事件を考慮するとエーテル財団そのものが暗躍していたとまでは確かに断言できないし、擁護する者たちの気持ちもわかる。
だがそれでも、同じ思想をもった誰かが《もう一度ナニカを始めた》のではないだろうか。
そう考えると、消えたとされるベベノムも、やはりはじめからそうなるように仕組まれていたとすら思えてくる。

あの底なしの穴は何だったのか?

3ヶ所で確認されたという《垂直の深穴》についても不気味だ。
地質的には説明がつかない唐突に現れた、光も反響も返らない【何もない深い穴】
これは何かが出たというより、《ナニカを通すために空けられた》ような印象を受けた。
もしかしたらあれこそが《本当の出口》もしくは《入口》だった可能性すらある。

つまり、ウルトラホールが空に現れたが、その道は地面に繋がっていたのではないだろうか?
出入りしたのはベベノムだけじゃなく、《それ以外のナニカ》もあったのではないか?
我々が確認できていないだけで、こちら側に来れるウルトラビーストはまだ無数にいると思う。
それらが《暗闇そのもの》のような姿をしているとしたら…あの穴の中に既にいるのかもしれない。


【管理人の感想】

正直に言うと、最初にこの記事を読んだ時にはよくある《研究所の事故》みたいなものかと思っていた。
だが読み進めるうちにこれはもう事故とかじゃなくて《何かとんでもない事が起きてしまった場所》だとわかった。

ベベノムは人の言葉を理解するほど賢くて、感情豊かで愛らしいポケモンだと聞いたことがある。
だからこそ、それを実験対象にした人間たちがどれだけ危うい橋を渡っていたのか…ゾッとする。

さらに他のポケモンをまるでバラバラにしながら使用していたのではないかという恐ろしさ。
その目的も、理由も全て消えてしまった今となっては実際何が行われていたのかも一切わからないのがより一層不気味である。

さらに底の見えない穴だが…あれは何なんだろうか。
私はもうあれは向こう側と繋がっていたと考えた方がしっくりくる。
そしてそこにはきっと今も《ナニカ》がいるのではないだろうか…と。

…それにしても、やはり気になるのはエーテル財団のことだ。
関与を否定していたが、使われていた機材の一致、研究対象がベベノムだったこと…
偶然にしては、あまりに繋がりが強すぎる。
だがそれについて今ここで多くを語るわけにもいかない。

今も彼らが目を光らせているかもしれない。

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