【未解決】巣に眠る子供たち

発生日時:1978年9月
発生場所:ジョウト地方・タンバシティ近郊
関与ポケモン:ドードー(野生・複数)


【未解決】巣に眠る子供たち

1978年9月23日、ジョウト地方南西部に位置するタンバシティ郊外の《シデの森キャンプ場》にて、秋の行楽を楽しんでいた子どもたち5名が忽然と姿を消すという事件が発生した。

当日は地元の子ども会によるキャンプイベントが開催されており、複数の家族とスタッフを含めて20名以上が宿泊していた。
だが明け方に目覚めると複数のテントで合計5名の子どもが忽然と姿を消しており、保護者とスタッフの通報により大規模な捜索が開始された。

警察および森林保安隊による初動捜査では失踪現場となったテント周辺の地面に《複数の鳥型ポケモンの足跡》が集中して残されていたことが確認され、さらに草むらへ向かって《地面に引きずられたような痕跡》が多数残されていたという。
痕跡は途中で途絶えていたがその先の森の奥から明らかに人間のものと思われる布の破片や靴が数点発見され事件性が強く疑われることとなった。

シデの森キャンプ場は付近の森に囲まれた山中に大量の《ドードー》が群れを成して暮らしていることが以前から知られており、その群れを見るのもアクティビティの1つとしてよく取り上げられていた。
今まで一度たりともドードーがキャンプ場まで降りてきたこともなければ人を襲ったこともなかったものの、現場に残されていた足跡の形状はどれもドードーと一致するものであったため、ドードーの生息域へと操作の範囲を広げることとなった。

 

同23日16時頃、山中の谷間にある岩棚の上で失踪した5名の子どもたち全員が発見された。
子どもたちは全員昏睡状態で倒れており、衣服はところどころ破れ靴は失われていた。
救助時に目立った外傷こそなかったものの彼らの周囲には《草や枝で作られた巣状の構造物》が複数見つかっており、その中に子どもたちは一人ずつ丸まるように横たわっていたという。

しばらくすると谷間の隙間から《大量の野生のドードーの群れ》が救助隊を静かに覗いていた。
いずれも警戒しつつオロオロとした様子で、近寄ろうとしつつも誰も谷間から前に出てくることはなかったという。
無事全ての救助活動が終わり最後の子供が運ばれるのを見届けるとそのまま森の奥へと群れごと姿を消した。

専門家の調査によれば巣は間違いなくドードーのものであり、その状態から【ドードーが子どもたちを保護していた可能性】が示唆された。
保護という言葉が出たのも、テント付近には色濃くドードーの痕跡はあったものの、服の破れ方や昏睡している状態などから《そもそも攫ったのはドードーではない》という可能性が高いためだという。
つまりドードー《ナニカ》に攫われ危害を加えられる子どもたちを追いかけて、奪い返し、安全な巣で匿っていたのではないかという仮説である。
実際のところ、それ以降も以前もシデの森に生息するドードーの群れが人間に危害を加えた目撃例はない。

昏睡状態から回復した子どもたちはいずれも誰に運ばれたかの記憶はなく、事件当夜の詳細は未だはっきりしていない。
この件をキッカケにタンバシティの一部学校ではキャンプ行事の再検討が行われ、周辺地域では野生ポケモンへの警戒が呼びかけられたが類似の事件は以後一度も発生していない。
あの日子どもたちを攫った者が何だったのかは謎に包まれたままである。

――文・【ユウナ・カネミツ】(ジョウト地方特別報道班)


【管理人の考察】

子どもたちを攫った《ナニカ》

現場に残された痕跡や証言を冷静に分析していくと確かに子どもたちを連れ去ったのがドードーではない可能性が高いといえる。
全員が昏睡状態で保護され、そして誰一人として《いつ、何に運ばれたか》を覚えていないという。
この事からただの睡眠や気絶ではなく《意識を失わせて運んだナニカ》がいたとする方が自然であるが、当然ドードーにそのような力は備わっていない。
つまりドードーは確かに事件に関与しているが、真の加害者は未だ姿を見せていない《ナニカ》であるということになる。

キャンプ場に降りてきた群れ

現状シデの森付近に生息しているドードーが人間に対して敵意を持つという記録は存在していない。
今回の事件においても加害者が別の《ナニカ》であるならばドードーが行ったこと《救助と庇護》である。
もしかするとドードーの中には以前にも人間との間に穏やかな接触の記憶を持つ個体がいたのかもしれない。
いずれにせよ、普段キャンプ場まで降りてくることのないドードーが群れをなしてやってきたというのは異様な事である。
果たしてドードー達は何を目撃し、何を追いかけたのだろうか。

遠巻きに覗く群れ

子どもたちの救助時ドードーたちは群れを成して谷間の隙間から様子を伺っていたという。
それはもしかしたら《自分たちではどうにもできないナニカ》がそこにいたのではないだろうか。
それとも人間に自分たちが《犯人だと疑われ危害を加えられる可能性》に怯えていたのだろうか。
いずれにせよ、ドードー達は数的有利があるにも関わらず救助隊を襲うことはなかったことから、やはり人間を襲ったのはドードーではない可能性が高まる。
子供たちが無事救助されるのを見届けたらそのまま森へ帰っていった事を考えると、怯えていたというよりは単に不安だっただけなのかもしれない。

《ナニカ》はどこにいったのか

この事件が《一度きりで終わっている》ということからも加害者である《ナニカ》は既にこのエリアに存在していないと思われる。
ただ、その《ナニカ》がこの一度の接触で何らかの目的を果たしており、去ったという可能性も考えられる。
願わくば何も達成できておらず、ドードーが無事撃退し、恐れをなしたために二度と現れなくなったという事であってほしい。
ドードーの群れは今も脅威から人間たちを守ってくれているのかもしれない。

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